和歌山県かつらぎ町にある丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)を訪れました。自然豊かな天野の里に鎮座する、世界遺産にも登録されている神社です。
境内でひときわ目を引くのが、美しい朱色の鳥居や楼門。
緑豊かな景色の中に映える朱色は、どこか神聖で、凛とした美しさを感じさせてくれます。

ところで、神社の鳥居や社殿には、なぜ赤い色が多く使われているのかご存知ですか?
朱色は魔除けの色。古くから日本では災いや邪気を遠ざける「魔除け」の力があると信じられてきました。
神社の鳥居や社殿に朱色が用いられるのには、こうした信仰が関係しているといわれています。
実は、朱色にはもう一つ、実用的な役割もあります。
昔から使われてきた朱や丹(に)という顔料には、木材を虫害や腐食から守る働きがありました。
美しさだけでなく、大切な建物を長く守るための知恵も込められていたのですね。
今回訪れた丹生都比売神社は、朱色と特に深い関わりを持つ神社です。
神社の美しい朱色を眺めながら、その色に込められた祈りに思いを馳せると、いつもの神社巡りも少し違ったものに感じられます。
実は、神社の鳥居は必ずしも赤いわけではありません。木の色をそのまま生かした鳥居や、石造りの鳥居など、さまざまなものがあります。
鳥居は、私たちが暮らす日常の世界と、神様がお鎮まりになる神聖な場所との境界を示すもの。
色や形は違っていても、神域への入り口という大切な意味を持っています。マナーを守って訪れたいものですね。
普段何気なく目にしている神社の鳥居。その色一つにも、昔の人々の祈りや暮らしの知恵が息づいています。
次に神社を訪れる際には、鳥居や社殿の色にも少し目を向けてみてはいかがでしょうか。
きっと、これまでとは違った日本の美しさに出会えることと思います。
和文化サロン 花輝(はなきらり)は、日々の暮らしの中に息づく日本の文化や美しさを、これからも少しずつお届けしてまいりますね。




