今回は「日本料理やお寿司さんのマナー」について。
「日本料理やお寿司屋さん(回転寿司ではなくカウンターの)では、時計などは外しましょう」というマナーについては聞かれたことがある方も多いと思います。
しかし、いざその状況になると「いつ外すの?」と悩まれたことはありませんか?
私が今までお見受けした方のほとんどは「席に着いてから外し、その時計やアクセサリーをテーブルの上に置いておく」でした。
でも正直なところ、テーブルの上に置かれたままでは邪魔になります。(テーブルに置かずバッグに仕舞う方もいましたが、その動きがあまりスマートではなかったような…)
じゃあ、いつが良いのか。私のおすすめは「お店に入る前」です。
突然行くことになったのであれば、お店に入る直前や待ち合わせ場所でお互いに声を掛け合って外すのも良いと思います。
もし行くことが最初から分かっているのであれば、装飾品は控えるようにしましょう。男性の時計以外にも女性の時計、ブレスレット、指輪、そしてロングネックレスなど。
なぜお店に入る前が良いかと言いますと、お店に入った瞬間にお店の方や大将はその人にどのような器でもてなそうかを決めるからです。(と聞きました!)
日本料理にとって器は料理の一部です。料理はまず目で楽しむものであり、器との相性がとても重視されています。それにお店によってはかなり高価な器を使用しています。
そんな高価で大切な器を時計やアクセサリーを付けているとついつい「コツン」と傷付けかねませんよね。私がお店の立場なら終始ヒヤヒヤします。
お店の人に限らず同じ感覚が私たちにもあります。物を大切に扱ってくれる人にはお気に入りの物も貸すことができるけれど、雑な人には心配で貸すことができない、または触らせることすら避けたいと思うことはありませんか。それと同じです。
またそのような「残念なお客様」だと思われる以外に、その事によって得られるはずだった素晴らしい器との出会いも逃すことになります。
もちろんお店側は何も言わないので本人は気付くことはないと思いますが、とても残念なことですよね。
TPOに合わせた装い・振る舞いはお店の方への敬意を表し、そのことがそこで過ごす時間をより一層充実したものに変えるのは言うまでもありません。
せっかく良いお店に行くのなら、素晴らしいおもてなしを受けたいですよね。
丁寧な扱いをされたいと思うなら、まずは自分が丁寧な人になること。
上品な人になりたいと思うなら、上品なものをたくさん見ること、そして上品なものを扱えるようになることだと私は思います。