「お付き合いのマナー」レッスンで、この季節になるとよくこの質問を受けます、「喪中宅にお歳暮はお贈りしてもよろしいのでしょうか」。
お歳暮はお祝い事ではなく、お世話になった方に感謝の気持ちとこれからもよろしくお願いしますという気持ちを込めてお贈りするものなので、贈る側、もらう側のどちらかが喪中であっても問題はありません。
ただし忌中期間(四十九日法要を迎えるまで)であれば、時期をずらしてお贈りすることをおすすめいたします。
よって熨斗紙の上書きは、お送りする時期に合わせましょう。
12月30日までは「お歳暮」、1月7日までは「御年賀」、1月8日から立春までは「寒中見舞い」、それ以降は「余寒見舞い」とします。
近年は同じ会社であってもお互いの住所も知らないということが当たり前になり、昔のように上司のご自宅にお中元やお歳暮を送ることも少なくなりましたね。
品物を贈ることだけが感謝の気持ちを伝える手段ではありませんが、では日頃からその気持ちを伝えることはできているでしょうか。
贈り物を選ぶときは相手のことを思い浮かべながら選びますよね、「何をお贈りしたら喜んでもらえるかしら」と。この考える時間こそが、「人を育てる」時間だと私は思うのですがいかがでしょうか。
あらゆるものが簡略化・省略化しつつありますが、それぞれには必ず意味があります。贈答に関しても、「なぜ熨斗紙は白いのか」「水引で結ぶのか」など。
衰退しつつある日本の贈答文化は後世にも残していきたい素晴らしい文化です。レッスンを通じてもっとたくさんの方に知っていただきたいと日々感じております。